はなのかんばせ

だいがくいんせいのらくがきのーと

 絵を描くのが昔から上手になりたくて、ちょこちょこ練習しているのだけれど一向に上手くならない。Youtubeとかホームページで絵の描き方を勉強してはいるのだけれど、全然思うように描けない。なんで描けないのか正直よくわからない。ああいった絵の描き方入門で出てくる下手な絵の例より、僕の絵はよっぽど下手で、どうすればいいのかわからなくなっていつも泣いてしまう。

 絵を描くために、図書館で専門書を借りて読もうかとも思った。難しい本を読み切ること、理解することはそこそこできる自信があったので。美術史とか美学の本ばかり手についてしまって、肝心の絵の本は陳腐すぎて読む気が起きなかった。自分の性格が嫌になる。漫画の描き方、イラストの描き方みたいな本を読むのにはとても体力がいるので、全然頭に入ってこない。とりあえず、通読してから手を動かそうと思うのがダメなのかもしれない。こうやってうだうだ書いていること自体、絵が上達しない原因なのかもしれない。

 昔はよく漫画のイラストとかを自由帳に写して描くのが好きだった。学校の休み時間にもずっと描いていた。他にも飼っていた亀(僕が10年以上話しかけていた)とか、山で木の絵を描いていた。でも、今思い返すと大して上手くはなかった。自分から絵を描くことはしばらく辞めていた。たぶん、自分より上手い子にマウントを取られてすごくイライラしたのだったと思う。別にマウントではなかったと思うけれど。今でもそうだけれど、自分より何かが秀でている人間に対してはすごく苛立ちを覚えてしまう。頭おかしいよね。僕もそう思う。生き辛いので、いつも抑鬱状態になってしまう。

 そんなことはどうでも良いのかもしれない。一番のトラウマは、中学校の美術の時間だった。沖縄について絵を描いてくださいと言われて、僕は何となくソーキそばの絵を描いた。そうしたら、僕の絵を覗き込んだ美術の先生は「何これメロン?」って戸惑った顔をして言った。それがずっと忘れられなくて、今でもたまに思い出して泣いてしまう。トイレに閉じ込められて水をかけられたり、殴られて服を脱がされて30人くらいに囲まれて笑われたことより、トラウマかもしれない。

 こんなことばかり考えていても、一向に絵は描けはしない。別に絵なんか描けなくたっていいじゃない、そんなことより大事なことはあると言われるかもしれない。けれども、僕にとって絵を描けるようになったり、ピアノを弾けたりするようになることは何にも増して重要なことなんだ。良い絵を見たり、良い音楽を聴いたりするようになったのが至極最近のことなので(文化資本がない)蓄積が足りないのかもしれない。かもしれないことばっかりでたしかなことは何もわからない。わからないけれど、死なないために、生きるためにはこれしかないような気がするんだ。こんな歳にもなって、現実が一切見えていないのかもしれない。何もわからない。最近はやらなければならないことばっかりで、好きなこと?が何もできてない。好きなことなんてわからないけれど。