はなのかんばせ

だいがくいんせいのらくがきのーと

2020-01-01から1年間の記事一覧

眠れぬ夜のために

小説ばかりを読んでいるとバカになるというのは、私の周りでは大変よく聞く話であり、私自身もそのように感じることが多くなってきた今日この頃であります。正しくは小説よりも物語といった方がいいのかもしれません。物語は何も考えなくとも読めてしまうか…

覚書

論文を書くためには、たくさん論文を読んで良い論文を見分けられるようにならないといけない。自分の中で良いと思う論文を見つけて、それの何が良いのかを箇条書して鋳型を抽出する。その鋳型に自分の考えたこと、調べたことを流し込む。 そういうことを繰り…

作業効率

文学専攻の大学院生の1日は、大学に行く、図書館で調べ物をする、本を読む、レジュメを作る、論文を書く、これらを1日が終わるまで繰り返すというものなのだけれど、最近はなるべく効率よくやるために現代のテクノロジーの力を借りるようにしている。 朝はNi…

ゴキブリは飛行しない

夜、部屋のドアを開けると、耳には羽音が響き目には何かゴキブリのようなものが写る。殺虫剤の入ったスプレーを振るけれど、気がつくとその姿はない。再び現れるのは、私が床に着くときである。耳元でずっと羽音が聞こえる。その度に私は、目を閉じてじっと…

労働者のように

大学院生活がはじまって、少しの時間が経って思ったことがある。以前は、大学院生って好きなだけ好きなことできていいなと思っていたけれど、それは少し間違いだった。 大学院生は好きな時間に起きていいし、好きな時間に寝てもいい。いっぱい本を読んで、研…

自分の頭の悪さに泣いてしまった。

自分で言うことではないけれど、僕は生者には最大限の敬意を表するタイプのお人好しです。倒れている人がいれば救急車を呼んで介助をするし、電車の席はしんどそうにした人に譲る。僕は膝が悪くて立ってるのがしんどいので、これはいや。良く生きようと思っ…

加害の妄想

眠れないから文章を書くというのは、良くない行為だと理解しているのだけれど、お酒を飲むと睡眠導入剤を飲んではいけないので、退屈しのぎに書く。 小学校の頃、ある日友達の母親が病気で亡くなった。幼い私は、幼いなりにこの子に母親という言葉は使っては…

オフィス街

ぼくは昔から大きいコンクリートの建物が好きだ。見ていてとてもわくわくする。それに比べて、京都や奈良にある寺社仏閣の古い街並みは苦手だ。すずしくて穏やかな気持ちになれるけど、孤独を感じるから。 アベノハルカスの喫煙所や階段、ショッピングモール…

身体がボロボロ

朝起きてコーンフレークを食べ、だらだらアプリで漫画を読み、日記を書いてから本を少し読むと昼になる。お昼だからご飯を食べようと、買い溜めしているカップ麺(60円くらい)にお湯を注いで食べる。食事用の机なんてないから、立って食べる。それから、ぼー…

さまよえる人

明かりの少なくなった街を俊介は歩いていた。人影はほとんどなく、見かけるとすれば、野良猫くらいのものである。車の通りも疎らで、俊介は車の多い方へ行こうと、住宅街を抜けて大通りへ出ることにした。 電灯と民家から漏れるわずかばかりの明かりを頼りに…

春は来ない

いつの間にか過ぎ去ってしまった春に気づいたのは、この世でほんの数人だったかもしれない。〈春〉という現象について、定義がなされていないから、断定的に語ることはできないのだけれど。厳密な学はいつだって不可能で、僕たちは新しいところから進んでい…

黒猫を反復すること

「四月は君の嘘」というアニメを今更ながら観た。放送当時に人気だったのは知っているし、なんとなくお話の内容も知っていた。天才ピアニストがバイオリニストの女の子と出会ってその子が死んじゃう、みたいな。大体合ってたというか、その通りの作品だった…

思い出すことを書くこと

表題をテーマにして卒論を書いている。正確には戦争を思い出すこと、何だけど。長い文章を書いたことがなくて、思うように書けないことが続いた。アカデミックな文章、他の文章もそうなんだけど、文章には文と文の繋がりに必然性がいる。それらが有機的な連…